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2024.03.20
外壁の色は、建物の魅力を長持ちさせる上で重要な役割を果たします。ここでは外壁の塗膜について避けられない問題である色あせの原因や、防ぐコツなどを紹介します。
外壁の色あせが起こる主な原因は、紫外線の影響と経年劣化による化学変化です。これらの要因により、塗装された外壁の色が時間とともに褪せていきます。
紫外線は、太陽光に含まれる光線の一種で、外壁の塗料を徐々に劣化させる大きな要因です。塗料に含まれる顔料は、紫外線を受けることでその化学的な結合が断たれ、色あせを引き起こします。特に、紫外線は顔料を構成する分子の結合を破壊し、塗料本来の色が出せなくなるため、外壁の色が褪せて見えるようになります 。紫外線は塗料の色の元である顔料に直接影響を与えるので、色あせの主要な原因です。
経年劣化による化学変化も、外壁の色あせを引き起こす原因です。外壁は長年にわたり、紫外線だけでなく、雨水や大気汚染物質などさまざまな外的要因に晒され続けます。これらの要因が組み合わさることで、塗料内部で化学的な反応が起こり、徐々に塗料の色素が分解されます。特に、塗料に含まれる有機化合物は、時間の経過と共に酸化されやすいです。その結果、塗料の色が変わりやすくなります。また、塗料の種類によっては、経年劣化による化学変化に弱いものもあり、これが色あせの原因となることもあります。
色あせしにくい外壁の色を選ぶことは、家の外観を長期間にわたって美しく保つために非常に重要です。紫外線や酸性雨などの自然環境にさらされ続ける外壁は、時間と共に色あせや劣化が進行しますが、色選びによってその影響を最小限に抑えることができます。
一般的に、色あせしにくい外壁の色として推奨されるのは、自然光の影響を受けにくい淡い色や中間色です。たとえば、ライトグレーやベージュ、ライトブラウンなどの色は、日光による退色が比較的少ないとされています。これらの色は、紫外線による劣化を受けにくいため、長期間にわたって外壁の色を維持しやすいです。
淡い色調の中でも、ライトグレーは汚れが目立ちにくく、現代的でスタイリッシュな印象を与えるため、多くの人々に選ばれています。さらに、グレーは周囲の景観や他の建材との調和が取りやすく、さまざまなデザインスタイルに適応しやすい利点があります。ベージュやライトブラウンも同様に、落ち着いた印象を与え、自然と調和する色で、汚れが目立ちにくく、色あせを感じさせにくいです。
また、白色はクラシックで清潔感があり、明るく開放的な印象を与えますが、白色は汚れが目立ちやすい反面、色あせ自体はあまり目立ちません。日光による反射率が高いため、紫外線による直接的なダメージを受けにくいです。
さらに、最近では塗料技術の進歩により、紫外線や汚れに強い機能性塗料が開発されています。これらの塗料を使用することで、色選びの自由度が増し、従来は色あせしやすいとされていた色でも長期間美しい状態を維持できるようになりました。
外壁の色選びは、美観だけでなく、メンテナンスのしやすさや環境条件、建物のデザインや周囲の景観との調和など、多くの要素を考慮することが必要です。色あせしにくい色を選ぶことで、長期にわたる外壁の美しさを保ち、定期的な塗り替えの手間やコストを抑えることができるため、慎重な選択が求められます。
色あせしやすい外壁の色を選ぶ際には、その色が長期間にわたってどのように変化するかを理解することが重要です。紫外線や気象条件は、特定の色の外壁に対してより強い影響を及ぼし、色あせや劣化を促進させることがあります。
まず、紫外線は外壁の色あせの大きな原因であり、特に原色に近い鮮やかな色や濃い色は紫外線の影響を受けやすく、色あせしやすい傾向にあります。赤色は特に紫外線による色あせが顕著に現れる色で、塗料の顔料(色素)に含まれる分子が紫外線によって分解されやすく、白っぽく変色しやすいです。このため、外壁に赤色を使用する場合は、紫外線に強い耐久性の高い塗料の選択が推奨されます。
紫色も赤色と同様に色あせしやすい色の一つで、特に赤に近い紫色は紫外線によって色素が分解されやすく、色あせや変色が起こりやすくなります。一方で、ブルーやネイビーに近い紫色は比較的紫外線の影響を受けにくく、色あせに強いと言えるでしょう。
濃い緑や濃い黄色も色あせしやすい色として知られています。これらの色は、太陽光にさらされることで顔料が徐々に分解され、元の鮮やかな色が褪せてしまうことがあります。特に濃い色ほど色あせ時のコントラストが強くなり、変色が目立ちやすくなるため、これらの色を選択する際には注意が必要です。
色あせしやすい色は、一般的には商業施設やブランドカラーを重視する建物で使用されることが多く、住宅ではあまり見かけることがありません。住宅の外壁にこれらの色を使用する場合は、塗り替えの頻度やメンテナンスの手間を考慮し、長期的な美観維持のために紫外線に強い塗料や、定期的なメンテナンス計画を検討することが重要です。
色あせは外壁の劣化症状の一つであり、放置すると外壁が雨水を吸い込み、最悪の場合雨漏りが発生する可能性があります。外壁の美観を長期間維持するためには、色選びに加えて、適切な塗料の選択と定期的なメンテナンスが不可欠です。
外壁の色を長持ちさせるには、以下の3つに気を付けると良いです。
耐久性の高い塗料を選ぶことは、外壁の色の長期間の保持に欠かせません。塗料の耐用年数は、アクリル塗料で約3~8年、ウレタン塗料で5~10年、シリコン塗料で8~15年、フッ素塗料で12~20年、セラミック塗料で17~20年と、種類によって大きく異なります。
艶あり塗料の利用も外壁の色の持続性を高める方法の一つです。艶あり塗料は耐久性が高く、艶消し塗料と比較して劣化しにくいとされています。そのため、見た目の美しさだけでなく耐久性を重視する場合には艶あり塗料が推奨されます。
また、約10年を目安に定期的な塗り替えを行うことで、外壁の色を長持ちさせることが可能です。このように定期的なメンテナンスは、外壁の色の持続性だけでなく、外壁自体の保護にもつながります。
これらの方法を適切に組み合わせることで、外壁の色を美しく長持ちさせることができます。
外壁塗装において、色あせを防ぐことは美観を維持する上で非常に重要です。紫外線や化学変化による色あせを抑えるために、適切な色選びと塗料の選定が求められます。色あせにくい色は、主に紫外線の影響を受けにくい淡色や中間色で、特にライトグレー、ベージュ、ライトブラウンが推奨されます。これらの色は、紫外線による色あせを最小限に抑えつつ、外壁の美観を長期間保つことが可能です。また、耐久性の高い塗料の選択は、色あせだけでなく外壁の保護にも寄与します。超低汚染やフッ素などの特性を持つ塗料は、紫外線に強く、長期間にわたる外壁の色の保持に効果的です。さらに、艶あり塗料の使用や定期的な塗り替えは、外壁を美しく保つために欠かせないメンテナンス作業です。これらの措置を適切に講じることで、外壁の色あせを効果的に防ぎ、建物の魅力を長く保つことが可能になります。