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2024.01.12
外壁塗装は、住宅の美観と耐久性を保つために不可欠です。しかし、時期やタイミングを選ばずに行って良いものではありません。時には「外壁塗装はまだするな」という言葉に従う方が良いこともあるのです。
築年数が浅い、塗装よりも外壁材の交換が必要、季節が工事に不向き……。様々な理由で塗装を見送った方が賢明な場合が存在します。それを無視して塗装工事を行った場合、行わなかった場合よりも不利益を被ることもあります。適切なタイミングに塗装を行うことによってはじめて、外壁塗装は効果を発揮できるようになるのです。
この記事では、「外壁塗装はまだするな」と言われる理由を踏まえた上で、外壁の劣化症状や、外壁塗装を行うタイミングを図る基準などについて解説します。
目次
外壁塗装は家の保護と美観を維持するために重要ですが、タイミングを見極めてやる必要があります。特定の状況では、「外壁塗装はまだするな」というアドバイスが適切なこともあるのです。
「外壁塗装はまだするな」と言われてしまうような、外壁塗装をすぐに行うべきではない場合として次の7つが挙げられます。
それでは順番に見ていきましょう。
新築の住宅や築年数が浅い住宅では、外壁塗装を急ぐ必要はありません。新築住宅の外壁は、通常、建築時に高品質な塗料が施されており、初期の数年間は十分な保護機能を提供します。これらの塗料は耐候性や耐久性に優れており、早期に劣化することは少ないです。
家の築年数が8~10年未満である場合は、外壁塗装をしなくても大丈夫な場合が多いです。しかし、築年数が浅くても、天災、天候、日当たり、環境が原因となって、汚れやチョーキングなどが見られることもあります。もし外壁塗装を考えるならば、専門家に見てもらうと良いでしょう。
外壁塗装の成果は、実施する季節に大きく影響されます。特に、湿度が高い季節や雨の多い時期は、外壁塗装には不向きです。湿度が高いと塗料の乾燥が遅れ、塗膜の品質が落ちる可能性があります。また、雨が降ると塗料が流れ落ちるリスクがあり、塗装作業自体が困難になります。
理想的な外壁塗装の季節は、気温が適度で乾燥している時期です。これは通常、春の終わりから初夏、または秋に当たります。これらの時期に塗装を行うことで、塗料の乾燥と硬化が最適な状態で進み、長持ちする塗膜を形成することができます。
外壁の素材によっては、塗装の必要がない場合があります。例えば、次の3つが素材である外壁は、塗装は必要ないと言われています。
レンガやタイルは、表面が劣化しにくく、耐水性も高いため、外壁塗装の必要性はありません。塗装を施さなくても、そのままの状態で長期間にわたってその機能を維持します。特に本物のレンガやタイルは、メンテナンスフリーとされており、耐用年数は30年以上です。ただし、10~15年を目安に点検が推奨される場合があります。
樹脂系サイディングは、特に浸水による膨張や凍結に強い特性を持っています。耐候性が高いため、長期間にわたってその機能を維持し、外壁塗装を行う必要が少ないのが特徴です。
外壁塗装を行う前に検討すべきなのが、外壁材自体の交換です。外壁材の劣化が著しい場合や、構造的な問題がある場合、塗装ではなく外壁材の交換が適切な選択となります。たとえば、外壁に深刻なひび割れが見られる、壁材が腐食している、または水分によって傷んでいる箇所がある場合、これらは単なる表面的な傷ではなく、構造的な損傷を示している可能性があります。外壁材を交換することで、建物の安全性を高め、長期的な保護を提供することができます。
外壁塗装の必要性は、外壁の劣化状況によって異なります。目立つ劣化症状が見られない場合、すぐに塗装を行う必要はありません。例えば、小さなひび割れ、わずかなチョーキング(塗膜表面の粉化現象)など、軽度の症状であれば、すぐに塗装をするよりも清掃や修繕によって対処することが可能です。
もし外壁の汚れが気になるようであれば、洗浄を行うことがおすすめです。場合によっては専門の業者に依頼して、高圧洗浄などを検討してみましょう。
塗装業者による営業戦略の中には、顧客を急かして契約を結ばせる手法があります。高圧的なセールスや不安を煽るようなアプローチ、大幅な値引きを提案してくる業者には注意が必要です。塗装を決定する前に、自宅の外壁の状態を自分自身で確認し、複数の業者から意見を聞くことが重要となります。
特に注意が必要なのは、即日の契約を迫ってくる訪問販売の業者です。外壁塗装の工事は高額な費用がかかります。まともな業者ならば、まずは外壁の状態を調査して見積もりを出すところから始めるはずです。すぐに契約を結ぶように促してくる時点で怪しいので、依頼するのは避けましょう。
外壁塗装は一般的に、5~10年の間隔で行われることが多いです。この期間は、塗料の種類や建物の環境条件、建材の質によって異なりますが、前回の塗装工事から5年未満であれば、通常は再塗装の必要はありません。一方で、特に厳しい気候条件下や高い湿度環境にある建物では、塗膜の劣化が早まることがあります。しかし、塗装工事はそれ自体が建物にとって大きな負担となり得るため、不必要な頻度での塗装は避けるべきです。外壁の状態を定期的にチェックし、塗装の必要性を適切に判断することが重要です。
住宅の外壁塗装は、建物を長期間にわたって守るために重要なメンテナンス作業です。しかし、そのタイミングを見極めるのは難しいと感じる方は多くいるでしょう。
外壁塗装を行う最適なタイミングと判断できる基準として、次の3つが挙げられます。
・築10年ほど経ったとき
・塗料の耐用年数が経過したとき
・外壁材がメンテナンス周期を迎えたとき
・明らかな劣化症状が発見されたとき
それでは順番に見ていきましょう。
一般的に、住宅の外壁塗装は築10年を目安に検討されることが多いです。これは、多くの建築材料と塗料の耐久性が、約10年程度であることに基づいています。10年経過すると、外壁は日光や雨、風などの自然環境の影響を受け、徐々に劣化していきます。色あせ、ひび割れ、塗膜の剥がれなどの兆候が見られるようになるため、この時期に塗装を行うことで、外壁を保護し建物の寿命を延ばすことが可能です。また、築10年は外壁だけでなく、建物全体の点検を行う良い機会でもあります。
塗装の劣化は、素材や塗料、環境など様々な要因で左右されるため、どの住宅も必ず10年が適切なタイミングであると言い切ることはできません。しかし、一つの目安として10年という基準を持っておくと良いでしょう。
外壁塗装のタイミングは、使用されている塗料の種類とその耐用年数によっても異なります。アクリルの耐用年数は約3~5年ですが、フッ素ならば約15~20年は持つと言われています。どの塗料で塗装がされているかで、次の塗装が必要になる時期は大きく変動するのです。
塗料の耐候性や防水性などの性能は、時間とともに低下します。塗料の種類に応じた耐用年数が経過したら、外壁の状態をチェックし、塗り替えを検討することが重要です。耐用年数を過ぎると、外壁の保護機能が低下し、建物自体の損傷につながるリスクが高まります。
外壁材は種類によって耐用年数とメンテナンス周期が違います。
日本の住宅に多い窯業系サイディングは、メンテナンス周期が比較的短い傾向にあり、約7~8年ほどとされています。それ以外の金属系、木質性のサイディングは、約10~15年です。コンクリート壁はメンテナンス周期が比較的長く、場合によっては15年を超えて約20年が周期になります。
外壁材は、定期的なメンテナンスを怠ると耐用年数が短くなります。メンテナンス周期に沿って外壁塗装を行うことで、外壁材を長持ちさせることができるのです。
外壁に明らかな劣化症状が発見されたときは、早急に外壁塗装を検討しましょう。目立たない軽微なものであれば洗浄などでも対応可能ですが、劣化が顕著にわかる症状が現れている場合は塗装が必要です。劣化症状は、外壁の機能が低下していることを示しており、放置すると建物の構造に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、ひび割れや塗装の剥がれは、雨水の侵入を許し、建物内部の損傷につながることもあるため、早めの対処が必要です。専門の業者に相談し、適切な塗装工事を行うことが建物を守る上で重要になります。
住宅の外壁は、時間の経過と共に様々な劣化症状を示し始めます。これらのサインは、塗装が必要なときを見極める重要な指標です。
外壁塗装をした方が良い劣化症状として、次の6つが挙げられます。
それでは順番に見ていきましょう。
チョーキングは、外壁塗装の劣化が進んでいる重要な兆候の一つです。塗料の表面が紫外線や雨風によって劣化し、粉状になる現象を指します。チョーキングが発生すると、手で外壁を触れるだけで白い粉が付着するようになります。この状態が進むと、塗膜が保護機能を果たせず、外壁材自体がダメージを受けやすくなります。したがって、チョーキングを確認したら、外壁塗装を早急に行うことが建物を保護する上で重要です。
外壁にコケやカビ、藻が生えるのは、通常、湿度が高い環境や日当たりが悪い条件下で見られます。これらは、外壁の表面が長時間湿った状態であることを示し、塗膜の防水機能が低下している可能性があります。コケやカビ、藻は見た目の問題だけでなく、外壁材を徐々に劣化させ、耐久性を低下させます。また、アレルギー反応の原因となることもあるため、健康リスクも考慮する必要があります。
色あせは、特に日当たりの良い箇所で起こりやすいです。日光にさらされ続けることによる紫外線の影響で、塗料の色素が徐々に分解し、外壁の色が薄れていきます。色あせは塗膜の防水性が低下しているサインです。放置しておくと、建物の美観が大きく損なわれるだけではなく、建物内部に雨水が浸入します。
外壁塗装のひび割れは、0.3㎜以上の大きさになったら補修を検討しましょう。ひび割れから雨水が侵入し、内部の腐食が進む恐れがあります。場合によっては、カビやシロアリが発生することもあるので、早急な対処が必要です。
外壁塗装にひび割れが起こる原因として、以下の5つが挙げられます。
塗装から数年後に起こったひび割れは、経年劣化によるものであることが多いです。塗装から数か月ほどでひび割れが発生したら、施工不良を疑いましょう。通常、塗装から数か月でひび割れが発生することはありません。
地震、建物の構造が原因でひび割れができた場合、塗装のみならず外壁材までひび割れが生じている可能性があるので注意が必要です。
塗装の剥がれや膨れは、基本的に経年劣化が原因で起こります。塗装から2~3年で剥がれや膨れが生じた場合は、施工不良である可能性が高いです。
塗装の剥がれや膨れが生じると、塗膜が破れやすくなります。放置しておくと雨や紫外線の影響を受けやすくなり、腐食やチョーキング現象が起きる恐れがあります。
外壁にかびが発生する原因は、主に2つあります。もらいサビと金属製の外壁が劣化した場合です。
もらいサビとは、外壁近くの金属製の物にサビが発生し、それが付着することを言います。外壁が金属製でなくてもサビが発生してしまう場合は、もらいサビが原因であることがほとんどです。
金属製の外壁は、擦り傷や凹みなどを放置しているとサビが発生しやすくなります。傷から雨水が侵入し、内部でカビが発生して表面に現れるからです。部分的にサビが発生しているだけならば、しばらくは様子見でも構いませんが、サビが全体に広がり始めたら業者に相談しましょう。
外壁塗装をすること自体が面倒だからやりたくない、そんな思いから外壁塗装はしなくても良いと考えるかもしれません。しかし、外壁塗装を行うないと、建物は劣化していく一方で深刻な状態に陥ります。
外壁塗装を行わないことで起こることとして、次の3つが挙げられます。
それでは順番に見ていきましょう。
外壁塗装を行わないと、建物の外観は悪化していきます。外壁は日光、雨、風などの自然要素に常に晒されており、塗膜の劣化や色あせは避けられません。特に家の売却を考えている場合、外観の第一印象は非常に重要です。外観の悪化は、単に見栄えが悪いという問題に留まらず、不動産としての価値も低下することにもなります。定期的な外壁塗装によって、建物を美しく保ち、長期にわたってその価値を維持することができます。
外壁塗装の劣化や損傷が進行すると、雨漏りや害虫被害のリスクが高まります。ひび割れや塗膜の剥がれは、雨水が建物内部に侵入することを許し、内部構造の損傷やカビの発生につながってしまうのです。また、外壁の隙間は害虫が侵入する入口となり得るため、シロアリや他の害虫による被害が発生する可能性があります。
外壁塗装を怠ると、最終的には高額な修繕費用が必要になることがあります。劣化が進行すると、表面的な塗装だけでなく、内部構造に関わる箇所の修復まで必要になるからです。特に外壁材そのものの腐食が進んでしまった場合は、外壁材を新しいものに張り替えなければいけなくなります。外壁の張り替えは、塗装の約2~3倍の費用がかかります。定期的な外壁塗装と適切なメンテナンスは、こうした高額な修繕費用を防ぐために必須です。
適切なタイミングでの塗装は、建物を効果的に守るために欠かせません。適切なタイミングで外壁塗装を行うために必要なこととして、次の2点が挙げられます。
それでは順番に見ていきましょう。
外壁材の水分含有量、浮きや反りの有無といった、ひと目見るだけではわかりにくい外壁の劣化状態を示すサインがあります。こうしたサインを正確に把握するためには、専門の業者による調査が必要です。定期的に業者による全体点検を行うようにしましょう。
外壁塗装を成功させるためには、信頼できる業者を選ぶことが非常に重要です。きちんとした業者ならば、工事の前に外壁を調査し、塗装が必要な状況か否かを教えてくれるはずです。反対に、塗装が必要かどうか確認すらせずに契約を迫るような業者は避けなければいけません。
よくある悪質業者の手口として、突然自宅を訪れて不安を煽るようなことを言い、半ば強引に契約を迫るものがあります。訪問販売の業者がすべて悪質というわけではありませんが、その場で契約を決めてしまうことだけは絶対にやめましょう。
外壁塗装を適切なタイミングで行うためには、信頼できる優良業者を見つけることが重要です。優良な外壁塗の装業者を見極めるポイントとして、次の4つが挙げられます。
それでは順番に見ていきましょう。
優良業者を見つける最初のステップは、その業者の口コミや実績を確認することです。インターネット上のレビューや評価、過去の施工事例を確認し、その業者が提供するサービスの質を把握します。満足度の高い口コミや、成功した工事の事例は、業者の信頼性の高さを示す良い指標となります。また、知人からの推薦も、信頼できる業者を見つけるのに役立ちます。
優良業者ならば、見積もりを出す前に外壁をしっかりと点検してくれます。この点検は、正確な見積もりと適切な塗装計画を立てるために重要です。外壁の状態を詳細に調査し、劣化の程度や修理が必要な箇所を特定してくれる業者を選びましょう。目安として、点検に30分~60分程度の時間をかけて行ってくれる業者は、優良業者の可能性が高いと言えます。
優良業者を選ぶには、複数の業者から見積もりを取り、比較することが重要です。これにより、価格、サービス内容、提案の質など、異なる業者のオファーを比較検討することができます。見積もりを比較する際には、価格だけでなく、使用される材料の品質、工事の範囲、工期の長さ、保証内容などを総合的に評価します。これにより、最もコストパフォーマンスが高く、最もニーズに適した業者を選ぶことができます。
外壁塗装工事を行う際には、工事後のアフターサービスや保証内容も重要な要素です。優良業者は、施工後のサポートや必要に応じた追加の修正作業に対応しています。保証内容を確認し、工事に何らかの問題があった場合の対応策が明確であるかどうかを確かめることが大切です。また、長期間の保証が提供されている業者は、自社の施工に自信を持っている証拠であると言えるため、安心して任せることができるでしょう。
外壁塗装は、私たちの家の美観と安全を守るために極めて重要です。しかし、塗装はいつでも好きなときに行ってよいものではなく、適切なタイミングを図る必要があります。
「外壁塗装はまだするな」という言葉は、ふさわしくないタイミングで塗装を行おうとしている場合や、そもそも外壁材が塗装を必要としない場合などを表すものです。全ての住宅が一律に定期的な塗装を必要とするわけではなく、特定の状況下では塗装を見送る方が賢明な選択となる場合もあります。
新築住宅や築年数が浅い住宅では、外壁の材質がまだ新しく、耐候性に優れた塗料で保護されているため、すぐに外壁塗装を行う必要はありません。また、湿度が高い季節や雨の多い時期は塗装作業に適しておらず、乾燥が遅れることで塗膜の品質が落ちる可能性があります。
家の築年数、塗料の耐用年数や外壁材のメンテナンス周期などを目安としつつも、外壁の劣化状況を鑑みて塗装を行うべきか否か、判断を下しましょう。
外壁の素材によっては、塗装が不要な場合もあります。例えば、レンガやタイル、樹脂系サイディングなどは、その耐久性と耐候性により塗装を必要としません。また、外壁材の劣化が著しい場合や構造的な問題がある場合は、塗装ではなく外壁材の交換を検討することが適切です。
そして、工事を行うことに決めたら、季節や業者もしっかりと吟味しましょう。信頼できる業者を選ぶためには、口コミや実績の確認を行った上で、複数の業者を選定してみると良いです。そして、それぞれの業者に外壁の調査を行ってもらって見積もりを出してもらいましょう。見積もりの他にも、アフターフォローや保障内容も比較材料になります。ある程度の時間をかけてじっくりと業者を選ぶことで、失敗のない外壁塗装を実現できます。
外壁塗装は、住宅を様々な外的要因から守り、その耐久性を高めるために重要な役割を果たします。不必要な塗装を避け、適切なタイミングでメンテナンスを行って、住宅の価値を維持しましょう。